midorinoisiの日記

オリジナルイラストを掲載します。よろしくお願い致します。

ガラスのかけら

midorinoisi2009-02-28

むかしむかしの夢の中。

前日、私は庭の掃き掃除をしていた。
雑草の中に何やら太陽の日射しに反射して光るものが・・・見ると、透明のガラスの瓶のかけら。

きれいだなと思い、しばし手を休めて、その小さなかけらを覗く。
その夜、私は夢を見た。

大きな雲が「ぼっと~ん、ぼっと~ん」と落ちて来て、周りは、巨大なプルプルミルクゼリーの山!
その雲に乗って大きい鬼が下りて来て、何やら探し物している。

困ったような、途方にくれたような元気のない鬼、そしてあのガラスのかけらを見つけると、大事そうに拾い上げ、また天に上がっていった。
その続きもあったけど、今はもう覚えていない。

次の日私は、ガラスのかけらを見ようと思ったが、日常の雑事に結局、そのまま忘れて。

ガラスのかけらは昔はちゃんとした形のものだったろう。どんな形か小さな破片からは想像できないけど、使った人だけが分かる。
・・・大事な物だったかもしれない。割れて誰かが悲しんだかもしれない。

この地で暮らしはじめた時、私はある店で、ローマングラスの銀化した破片のアクセサリーを見つけた。はるか古代のトルコだろうか、それともローマで、あるいは、遠く、交易のあったアフリカの砂漠の町の跡のあとから見つかったのか?

長い長い時間の流れがそのガラスに銀色の輝きを与えた。

その時、私はそのアクセサリーを手に入れる事は出来なかった。お値段が私の予算にあわなくて、でも今はすごく
後悔している。

それから10年後くらいに私はやはり欲しくて、ちょっと懐具合もよくて、その店を訪ねた。でも、もう違う店が入っていて、見る事はできなかった。

誰かが大事にしていたガラスの入れ物、ある日誰かが作ったガラスの細工、だから私はビーズ細工をする。

一点一点、違うデザインで、気に入ってくれる人に出会ってくれるだろう。そう願って。